- 家づくりのヒント
車いす生活を支える「廊下設計」

車いすが必要になる理由は、年齢を重ねることだけではありません。
若い世代であっても、スポーツや不慮の事故による一時的なケガ、あるいは病気や先天的な障がいによって、車いすでの生活を送ることがあります。
住まいがバリアフリーであれば、障がいを持つ方でも気兼ねなく、笑顔で同じ時間を過ごすことができます。
車いす生活の快適性を左右する、「廊下の設計」

家の中のバリアフリーというと「段差をなくす」ことに目が行きがちですが、実は盲点になりやすのが「廊下の幅」です。
ここが狭いと、移動するたびに壁にぶつからないよう神経をすり減らすことになり、暮らしの自由度が大きく制限されてしまいます。
車いすがスムーズに通れる「理想の廊下幅」
具体的にどれくらいの幅があれば、年齢や障がいを問わず、車いすで快適に暮らせるのでしょうか。
具体的な数値をご紹介いたします。
日本の多くの住宅では、柱の中心から中心までの距離を91cmとするため、壁の内側の実際の幅(有効幅)は約75cm前後になります。
(すまい生協の場合は78㎝)
一般的な自走用車いすの幅は約63cm前後のため、直進するだけであれば計算上は通れます。
しかし、操作に慣れていない方や、手の力が弱い方にとっては、壁に手をぶつけそうになったり、心理的な圧迫感があったりと、決して「スムーズで快適」とは言えません。
その為、最低でも78㎝以上の幅が必要となります。
本当に大切なのは「曲がるとき」の有効幅
車いす生活で最も技術を要し、ストレスになりやすいのが「廊下からお部屋へ直角に曲がる時」です。
直進を快適にするなら: 壁と壁の間の有効幅が 85cm以上(柱の芯々で100cm〜105cm程度)あると、介助者とすれ違う際にもゆとりが生まれます。
直角に曲がるなら: 廊下から部屋に車いすでスムーズに曲がって入るためには、廊下の有効幅が 90cm以上 必要です。これだけの幅があれば、大柄な方が乗る車いすや、電動車いすであっても、何度も切り返し(バックと前進の繰り返し)をすることなく、一度でスムーズに回転して部屋に入ることができます。
あえて廊下をなくす「リビングアクセス」という選択肢
「将来や万が一のために今から廊下を広くしすぎると、リビングや寝室が狭くなってしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃいますよね。
限られた敷地やご予算の中で、使わないかもしれない空間を広く取りすぎるのはもったいないことです。
不安を解消する一つの案として最初から廊下という概念を極力なくし、「広いリビングを中心に、各個室や水回りに直接アクセスできる間取り」にするのも非常に有効なアプローチです。
廊下がない分、リビングを広く使えますし、車いすの旋回スペースも十分に確保できます。
何より、家族がどこにいてもお互いの気配を感じられる、温かみのある住まいになります。
傷がつきにくく、タイヤが滑りにくい素材を選ぶ
車いすのタイヤは、毎日同じ場所を通るため、一般的なフローリングだと擦れ傷や凹み、黒いタイヤ痕がつきやすくなります。
また、若くて活動的な方や、電動車いすを使用される場合は、床への負荷も大きくなります。
すまい生協では、耐久性が高く傷がつきにくい「車いす対応仕様」の床材も標準仕様にございます。※キズやへこみがつかないということではありません。過度の過重にはご注意ください。
お客様の生活スタイルに合わせた最適な素材をご提案いたします。
誰もが自分らしく、のびのびと暮らせる住まいを一緒に
住まいづくりにおけるバリアフリーやユニバーサルデザインは、決して「高齢者のための後ろ向きな準備」ではありません。
「年齢や身体の状態がどう変化しても、お気に入りの我が家で、自分の力で快適に、安心して暮らし続けるためのポジティブな投資」です。
「自分たちのライフスタイルなら、どんな間取りが最適だろう?」「将来に備えた可変性のある設計について詳しく知りたい」など、どんな小さな疑問でもお気軽にご相談ください。
皆様のお問い合わせを心よりお待ちしております。


